象徴的に言うと、自分が見たドラマ史上でとてつもなく愛着が沸いた場面があった。
それは、『その年、私たちは』第11話の終盤のシーンだ。鍋を囲んでチェ・ウンとヨンスが焼酎を飲んでいる。そのとき、チェ・ウンが独白のように語りだす。
「会いたかった」
「僕だけを愛してくれる君を見たかった」
「続けて愛してくれ。お願いだから」
チェ・ウンの言葉がドラマを見た後も心にずっと響いてくる。
何よりも、演じるチェ・ウシクの抒情的な表現が珠玉の名場面を彩っていた。それを受けるキム・ダミの表情も、同じように感動的だったのだが……。
いずれにしても、『その年、私たちは』では様々な見方ができるが、私にとっては、チェ・ウシクのまれにみる自然体の演技を堪能できるドラマであった。