■「ヒューマンドラマ」:温かな感動作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018年/全16話)は、淡々と生きる中年サラリーマンと、辛い過去を抱えて借金に追われる若い女性の2人を中心に、夫婦、兄弟家族、地元の仲間たち、会社の同僚など、様々な人間模様を丁寧に描いた感動作です。
主人公ドンフンを演じているのは映画『パラサイト 半地下の家族』のセレブ社長役のイ・ソンギュン、ヒロインの若い娘役にIUという絶妙なキャスティング。2人の間に流れるのは男女のロマンスではなく、人と人としての情愛で、それがまた胸に響きます。
盗聴から始まる心の交流を描いていますが、電話越しにヒロインが耳にするイ・ソンギュンの低音ボイス、心の温かさがにじみ出た言葉の数々に癒やされること間違いなし。観終わったあとに温かな余韻が残り、心が洗われる名作です。
■「ミステリーロマンス」:様々なジャンルが混ざった『君の声が聞こえる』
『君の声が聞こえる』(2013年/全18話』は、傍若無人な女性弁護士と、人の心の声が聞こえる高校生がある事件で出会ったことで起きるミステリーロマンスで、一途な年下男子を演じたイ・ジョンソクが大ブレイクした作品です。ロマンス、ファンタジー、サスペンス、法廷ドラマと様々なジャンルの要素が詰まっていて、その後の「ジャンルミックスドラマ」の潮流となるエポックメイキングとも言える作品です。
ちなみに、本作の脚本を手掛けたパク・ヘリョンとイ・ジョンソクは、その後も『ピノキオ』『あなたが眠っている間に』と3作連続でタッグを組みます。イ・ジョンソクが俳優としての幅を広げ、大人男子へと成長していく過程が楽しめる3部作なので、セットで観るのもお薦めです。