Netflixシリーズ『イカゲーム』で知名度を上げたベテラン俳優イ・ジョンジェの魅力を探るコラムの3回目は、1998年の主演映画『情事 an affair』の話題を取り上げる。

■出演作の約8割が二枚目役!?

『情事 an affair』は、前回のコラムで取り上げた『純愛譜』(2000年)のイ・ジェヨン監督が、その2年前に撮った作品だ。

 イ・ジョンジェは当時26歳。成功した建築家の妻ソヒョン(イ・ミスク、当時39歳)と、彼女の妹の婚約者ウイン(イ・ジョンジェ)が惹かれ合っていく物語だ。

 お気づきかもしれないが、ウインはイ・ジョンジェが2年後、『純愛譜』で演じる無気力な公務員と同じ役名である。しかし、本作のウインはまったく別のキャラクターだ。在米韓国人でブラジルにも住んだことがある。やりたいことは他にあるのだが、やむなく父が経営する石材会社に勤めている。表情が暗いのはそのせいだろう。ドラマ『砂時計』で演じたボディガードの延長線上にある役と言っていい。

『イカゲーム』で初めて彼を認識した人は笑ってしまうかもしれない。それほど本作のイ・ジョンジェは二枚目然としている。というか、映画での彼は8割方二枚目役なのだ。

ソヒョン(イ・ミスク)の出迎えのシーンなどで数度登場する金浦空港。当時、国際線ターミナルだった棟(写真)は現在、国内線ターミナルになっている