韓国ドラマの中で特に時代劇というジャンルに特別な愛着を持っていたので、MBCで放送された『赤い袖先(原題)』が大ヒットしたことは本当に嬉しかった。今後、各テレビ局の中で時代劇の企画が通りやすくなるのではないか。そう思えるほど、『赤い袖先(原題)』の成功は意義深いことだった。
■ジュノ(2PM)が名君イ・サンを見事に演じきった『赤い袖先(原題)』
当初は、かなり心配していた。2PMのジュノにとって兵役後の復帰作になるので大いに注目したが、イ・サンこと正祖(チョンジョ)を主人公にするのは分が悪いのでは、と思えた。すでにイ・ソジンが『イ・サン』の主役として正祖の成長物語で成果をあげていたからだ。二番煎じになるのではないか、という憂慮があった。しかも、ヒロインのイ・セヨンが演じるのは実在した宜嬪(ウィビン)・成氏(ソンシ)だ。この女性も『イ・サン』でハン・ジミンが演じたソンヨンのモデルになっていた。
「名作の『イ・サン』とイメージがかぶるかも」
そう考えてしまったのだが、まったくの杞憂に終わった。ジュノは正祖に新しい視点を加えることができたし、イ・セヨンはこれまでの時代劇の経験を生かして情緒のある宮女の役を巧みに演じた。そうしたすべての要素がうまく合致して、『赤い袖先(原題)』は多くの視聴者の心を完全につかんだ。今後、長く語り継がれる時代劇になっていくだろう。