■母が持たせてくれた生姜の砂糖漬けの思い出

 筆者がこの数年間、光州に住む母親に持たされたもので印象に残っているのは、生姜の砂糖漬けだ。

 光州の郊外にある無等山の家庭菜園で11月に収穫したものを漬けてくれたのだ。お茶請けにそのまま食べてもいいし、お椀に入れて熱い湯を注ぎ、お茶のように飲んでもいい。生姜は身体を温める効果があるので、じつにありがたい。

「風邪やコロナに負けるんじゃないよ!」

 母の叱咤激励が聞こえてきそうだ。

 生姜の砂糖漬けの入った袋は2つ。それぞれにシールが貼ってあった。ひとつには「辛いの」、もうひとつには「すごく辛いの」と書いてある。

 食べる前から胸が熱くなってしまった。

筆者の母親が持たせてくれた生姜の砂糖漬け。上が「すごく辛いの」、下が「辛いの」