最初のストーリーを受け持ったのが「ハンスとウニ」だ。
故郷の銀行支店長として赴任してきたハンス(チャ・スンウォン)が再会したのは、高校時代の同級生だったウニ(イ・ジョンウン)。彼女は海産物店主として商売に成功していた。一方のハンスは、娘をアメリカでゴルフ留学させているので金が必要だった。
そんなハンスはウニにとって憧れの「初恋の人」。しかし、今は借金で評判が悪くなっているのだが、彼はウニを旅行に誘う。目的地は、かつて修学旅行で一緒に行った木浦(モッポ)だ。金を借りる手段として「思い出」を利用するのが目に見えていたのだが……。
以降も、人間味あふれる物語が続く。
たとえば、イ・ビョンホンが演じるトラック行商人ドンソクと離婚によって最愛の息子を奪われたソナ(シン・ミナ)。
キム・ウビンが扮する船長ジョンジュンとハン・ジミンが演じるワケありの新人海女ヨンオク。
ハラハラするような人間関係が次々に描かれていく。さらに、高校生カップルの妊娠騒動、犬猿の仲の同級生おじさんの摩擦、苦難を生きてきた年配女性たちの葛藤……みんなが哀調を帯びながら『私たちのブルース』を奏でている。
それを聴きながら、海に寄り添って生きてきた登場人物たちの人間味あふれる姿にドラマを通して共感してみたい。