■海女の仁義
第4話。潜水時間が終了しているのに、ヨンオク(ハン・ジミン)が船に上がってこない。10分遅れで戻ったが、他の海女たちはカンカンだ。いつもはおおらかなチュニ(コ・ドゥシム)も眉間にシワを寄せている。
「陸地の者に海女なんかさせるからこうなる!」
「それじゃあ海女の成り手がいないじゃない!」
ヨンオクの件で一悶着ある。済州の海女と海女のあいだにも葛藤があるのだ。
ヨンオクの妹分(済州出身)が真顔で言う。
「姉さんのことは好きだけど、今日だけは言わせてもらう。姉さんはたった10分と言うけど、その数分が命取りになるの。海女の仕事は独りよがりじゃダメ。運命共同体なのよ」
私も直接、済州の海女たちから同じような話を聞いたことがある。
海女の仁義は若い人には理解されにくいかもしれないが、安全に細く長く稼ぐことを優先した合理的なものなのだ。