僕が見つけたシンデレラ〜Beauty Inside〜』の主人公にして大手航空会社後継者かつ本部長ソ・ドジェ(演じるはイ・ミンギ)を支える秘書チョン・ジュファンも優良秘書だ。演じるのは、子役出身の若手イケメン、イ・テリ。『偶然見つけたハル』のミステリアスな給食料理人や『九尾狐<クミホ>伝〜不滅の愛〜』で演じた大蛇の化身など、個性的な役も多い彼だが、『僕が見つけたシンデレラ』では失顔症を患うドジェに常に付き従い、秘密を頑強に守り抜く頼れる秘書ぶりを披露。これまでの役の印象もあり、序盤は「実は裏切りがあるんじゃない?」と疑いの目を向けてしまうが、そこはさて……。

 いずれにせよ、ドジェのことを誰よりも理解し、窮地はクールにさらっとフォローする、その有能さがたまらない。もちろん、ドジェとの何もかもわかりきった仲(言葉はなくても伝わる仲)も良い。

『僕が見つけたシンデレラ』画像出典:JTBC

 秘書ではないが、キム・ジェウク×クリスタル主演ラブコメ『クレイジーラブ』で、ジェウク演じる大手予備校ゴ−トップ代表ノ・ゴジンの朋友兼補佐役として存在感を放ったのが、ゴ−トップ副代表オ・セギだ。演じたハジュンは、『ブラックドッグ~新米教師ク・ハヌル~』ではヒロインの同僚の国語教師役(これがまた良かった!)や、『ミッシング:彼らがいた』での行方不明担当刑事役、『ラジオロマンス』ではユン・ドゥジュン演じるトップスターのマネージャー役という、これまた“秘書的立ち位置”で注目された俳優である。

『クレイジーラブ』では、紳士的かつ親しみ溢れるキャラクターで、記憶を失った代表を何かとサポートする頼もしい役どころ。だが、ハジュンが演じると、一筋縄ではいかない!というところを含めて、強い印象を残している。

 そして、イケメンではないが、社長(常務)大好き秘書も推しておきたい。それは、『ジキルとハイドに恋した私~Hyde, Jekyll, Me〜』で、ヒョンビン演じる気難しいテーマパーク常務、ク・ソジンが唯一信頼する秘書クォン・ヨンチャン(演じるのはイ・スンジュン)。ソジンが二重人格を隠し持ち、そのため禁欲的な生活を送ることを理解し、なにかと案じている兄のような存在。実際、ソジンは秘書ではなく、「ヒョン(兄貴)」と呼んでいるほどだ。

 また、『シークレット・ガーデン』では、高慢な社長(ヒョンビン)に振り回され陰口を叩きつつ、社長の窮地には泣きながら助けようとするキム秘書(キム・ソンオ)、『アルハンブラ宮殿の思い出』では、ゲームの世界に闘いを挑む投資会社のカリスマ代表(ヒョンビン)を兄のように慕い、命がけで生死をともにしようとするソ秘書(ミン・ジヌン)と、ヒョンビンほど男性秘書との掛け合わせが似合う俳優もいない。

 もちろん、『キム秘書はいったい、なぜ?』のキム秘書もといパク・ミニョンのように、美しく有能な女性秘書もいいが、ツンデレ敏腕社長には彼を誰よりも理解する男性秘書をあてがえたい。