去る5月6日、韓国エンターテイメント界の最大アワード「百想芸術大賞」第58回が発表された。

 今回、最優秀男性演技賞と特別賞のTikTok人気賞の栄誉ある2冠に輝いたのが『赤い袖先(原題)』のイ・ジュノ(ジュノ/2PM)だ。

■俳優なら誰もが手にしたい最高峰の演技賞と人気賞の二冠に輝いたジュノ

 百想芸術大賞の最優秀演技賞は、俳優なら誰もが手にしたい栄誉ある賞。歴史と権威があるアワードで、「優れた俳優」というお墨付きを得るようなものだからだ。

 一方、人気賞は一般視聴者投票によるもので、その1年でもっとも話題を呼び、国民的人気を得た俳優が輝く。これまでも、『愛の不時着』のヒョンビン&ソン・イェジン、『太陽の末裔  Love Under The Sun』のソン・ジュンギ&ソン・ヘギョといった一大シンドロームを巻き起こした大ヒットドラマの主演俳優たちが受賞している。ちなみに『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のコン・ユは、最優秀演技賞は手にしたが、人気賞は得られなかった(この年の人気賞は『雲が描いた月明り』のパク・ボゴム)。 

 つまり、実力と人気、専門家評と一般評、ともに認められることはそうないことなのだ(『シークレット・ガーデン』のヒョンビンさえ!)。

 そういった点から、最優秀演技賞と人気賞の双方を手にしたジュノは、現状、最強俳優と認められたといえる(なお、今年は『二十五、二十一』のキム・テリも最優秀女性演技賞・人気賞の双方を受賞という快挙を果たしている)。しかも、『イカゲーム』のイ・ジョンジェや『悪の心を読む者たち(原題)』のキム・ナムギルら、カリスマあふれる実力派俳優たちを制しての受賞である。本人の驚きも大きかっただろう。

 実際、ジュノは授賞式の受賞コメントでも、「正直にいえば、この賞が本当に欲しかった。けれども、受賞コメントを準備することについてはたくさん考えた。自分が望む夢と現実が違う場合があるから」と、欲しいけれど手に入らない現実も想像していたことを率直に語っている。

 そのうえで、「『赤い袖先』を共にしてくれたすべての方に心から感謝すると伝えたい。僕の家族たち、愛しています。見守ってくださったすべてのファンの方々に本当に感謝しています。そして、これからも感動できるいい作品でみなさんにまたお会いできることを夢見ています」と伝え、喜びと感動に真摯に浸る姿が印象的だった。