■ソン・ガンホとの共演作『義兄弟~SECRET REUNION~』(2010年)

 北朝鮮から来た工作員(カン・ドンウォン)と韓国の国家情報要員(ソン・ガンホ)が互いの正体に気づかぬふりをしながら、興信所の上司と部下として働き、同じアパートで暮らす物語。

 同じ釜山出身で年も近いことからライバルと目されるコン・ユ(1979年生まれ)も、緩急(強弱)の場面で魅力を発揮する俳優だが、カン・ドンウォンは何かから自由になれない者の演技やペーソスの表現において一日の長があると思う。

 本作の工作員役がまさにそれで、裏切った工作員仲間に対する中途半端な態度や工作員に徹しきれず人間味を出してしまう甘さなど、彼の魅力が最大限に発揮された映画である。『新感染 ファイナル・エクスプレス』の父親役(エゴイスト)はカン・ドンウォンには似合わないが、また、本作の工作員役(ヒューマニスト)もコン・ユには似合わない。こう言えば、二人の個性の違いをわかっていただけるだろうか。

『義兄弟~SECRET REUNION~』終盤の戦闘シーンが撮影されたソウルのホテルPJ付近

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