NetflixディズニープラスDisney+)などの配信作品を対象とした第1回青龍シリーズアワードで、『ユミの細胞たち』のキム・ゴウンが主演女優賞に輝いた。

 キム・ゴウンといえば、コン・ユと共演した大ヒット韓国ドラマトッケビ』をはじめとするドラマの印象が強いかもしれない。だがじつは、彼女のデビュー作はパク・ヘイルと共演した映画『ウンギョ 青い蜜』。その後、9本の映画に出演し、今年も新たに2本の公開が予定されている。

 今や国際的なスターと言ってよい彼女の魅力を映画を通して見てみよう。

ドラマ『トッケビ』で、シン(コン・ユ)とウンタク(キム・ゴウン)が初めて出会った海岸のシーンは、江陵市にある注文津防波堤で撮影された

■キム・ゴウンの魅力は「足りなさ」

 一般社会ではルッキズム(外見至上主義)が問題になるが、エンタテインメントの世界では堂々と語られるべきことだ。キム・ゴウンは身長167センチの堂々たる体躯だが、顔はどうだろう。一重瞼、目と目の間の距離、瓜実顔は典型的な朝鮮美人だが、イ・ヨンエキム・ヘスソン・イェジンのような西洋寄りに洗練された顔と比べると何かが足りない印象だ。

 しかし、それこそが彼女の魅力といえる。その足りなさは、イ・ミンギと共演した映画『その怪物』(2014年)のポクスン役に顕著に表れていた。ポクスンは別の意味で足りない女性だったが、韓国ではよく使われる「白痴美(ペクチミ)」という言葉がぴったりハマるキャラクターだった。まさにキム・ゴウンの独壇場である。