★『赤い袖先』見どころポイント
なんといっても、俳優ジュノの魅力に尽きる。彼が演じたサンは、些細なことにもうるさく、常に下の者たちを怖れさせている“鬼の世孫”。冷淡に相手を切り捨てるように言葉を発するが、過去作『ただ愛する仲』や『油っぽいロマンス』で見せたような荒っぽいだけの口調ではなく、どこか知性と気品が漂い、従わざるを得ない。自信に溢れた「オレサマ」タイプだが、実は、弱い自分を隠すために「威厳」という名の針をハリネズミのように体中から出しているようで、どうにも放っておけない存在だ。
そんな彼が、ドギムとの出会いにより、ロマンチックな面がダダ漏れ。気がつけば、ドギムの動向ばかりを目で追い、意地悪を言ったり、思い出し笑いをしたり、わかりやすく嫉妬したり、と好き好きオーラが出まくるさまは、典型的ツンデレで憎めない。
一方、彼女の心が読めずに苛立ち、激しく想いをぶつけるなど、恋する男の人間味あふれる姿を緩急こまやかに演じ、観る者の心を虜にする。
胸キュン満載の前半から、中盤以降は、国を背負う者としての重みとカリスマ性、愛も選べぬ苦悩と孤独を、凛とした佇まいと深い眼差しで表現し、胸締め付けられること必至だ。
また、子役出身で、『医師ヨハン』などで知られる若き実力派女優イ・セヨンが、王に愛されながらも自身の選択で人生を生きようとする女性ドギムを伸びやかに演じ、2人の化学反応も物語の世界観を作り上げている。
物語は、「王の求愛を2度にわたって断った」という、イ・サンの側室・宜嬪ソン氏(ドギム)の逸話をモチーフにしている。王は、その女官を愛していたが、果たしてその女官も王を愛していたのか? 2人の胸に秘められた想いの行方にも注目だ。
『韓国TVドラマガイド』102号では表紙&巻頭グラビアにジュノが登場!『赤い袖先』スペシャルインタビューや作品解説などをたっぷり掲載している。