■映画『監視者たち』では、ソル・ギョングハン・ヒョジュの上長役

 2013年の『監視者たち』では、ソル・ギョングやハン・ヒョジュ扮する捜査員らを統率するリーダーを演じた。

 あいさつもなしにいきなり部屋に入ってくる無礼な部下(ソル・ギョング)に対し、口紅を塗りながら、「ノック!」と怒鳴りつけ、やり直しさせる男前な役。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』テ・スミのキャラクターはすでに本作に萌芽があったのだ。

『彼女を信じないでください』から18年、今ではあのウェディングドレスの女性と同じ人物とは思えない風格を身に着けている。

映画『暗殺』でチン・ギョン扮するソンシムの娘(チョン・ジヒョン)が乗った列車が到着した旧・京城駅。現在、駅の機能は南側の新駅に移行し、旧・京城駅舎は博物館になっている

 チン・ギョンがさらに存在感を示すようになったのは、2014年の『ベテラン』、2015年の『暗殺』だ。前者はファン・ジョンミンの妻役、後者はイ・ギョンヨンの妻役で、いずれも亭主関白などどこ吹く風の恐妻キャラクターだった。

 映画で活躍すると同時に、ドラマでも、イ・ジョンソクパク・シネ主演『ピノキオ』(2014年~2015年)、キム・ウビンペ・スジ主演『むやみに切なく』(2016年)、ハン・ソッキュ主演『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズ(2016年~2017年、2020年)、『たった一人の私の味方』(2018年)をはじめ、数多くの作品に脇役で出演し続けていて、その存在感を示している。

 次回は、多くの映画で気丈な妻を演じてきたチン・ギョンをクローズアップしてみよう。

(後編に続く)