■KTXの運転士役!『新感染 ファイナル・エクスプレス

 乗客が命を預ける高速鉄道の運転士と聞けば、体格がよく、キリっとした男性を思い浮かべてしまう。ところが、コン・ユ主演でマ・ドンソクチェ・ウシクが出演した大ヒット作『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)でKTXの通路を運転席に向かって歩いてきたのが、チョン・ソギョンと気づいたときは笑ってしまった。

惨劇はソウル駅のプラットホームから始まった。映画の冒頭、運転士役のチョン・ソギョンがKTXの通路を通って運転席に座り、発車の準備をするシーンがある

 最初は頼りなげに見えたのだが、車内がパンデミック状態になっても冷静に対処し、乗客からの問い合わせにも誠実に対応する姿には惚れ直してしまった。しかし、その誠実さが仇となり、利己主義の乗客(キム・ウィソン)によって美しくも壮絶な最期を遂げる。チョン・ソギョンの数少ない二枚目役と言っていいだろう。

左から在来線、チョン・ソギョン扮する運転士が操縦したKTX、もうひとつの高速鉄道SRX。木浦駅で撮影

 愛すべき “となりのおじさん” チョン・ソギョン。キャラクター的に難しいとは思うし、本人も望んでいないかもしれないが、いつか彼の主演映画を観たいと思う。