Netflix韓国ドラマシスターズ』は、貧困から抜け出したい長女(キム・ゴウン)、弱者が虐げられる社会を変えたい次女(ナム・ジヒョン)、そして、家族のしがらみから離れ夢を追いかけたい三女(パク・ジフ)の物語だ。

 三姉妹は強者たちの醜い欲望の渦に巻き込まれてしまうため、物語は常に陰鬱だ。しかし、10話に出てくる港の旅立ちシーンは、このドラマに久しぶりに、いや初めて胸のすくような爽快感をもたらしてくれた。

 船の甲板。潮風。きらめく波光。船旅が始まるときの独特の高揚感が伝わってくる。

 この場面に鍋をひっくり返したような形の影島が映っていることからもわかるように、出港地は釜山。筆者も釜山から何度か船旅に出たことがある。訪問先は山口県の下関、長崎県の対馬などだ。

釜山港国際旅客船ターミナル。このターミナルのデザインはクジラがモチーフ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のヨンウが喜びそう
釜山港国際旅客船ターミナルに停泊中の日本行きの船。手前右が福岡行きの高速船。奥の左手が下関行きフェリー。右手が大阪行きフェリー
釜山港から日本へ向かう船の甲板(2016年撮影)韓国と日本を結ぶ旅客船は、現在まだ全面運休状態。空の便は続々と再開、増便している。1泊分の宿泊費が浮き、空の旅にない旅情も味わえる旅客船の早期再開が望まれる