「ドラマは脚本で見て、映画は監督で選ぶ」

 そんな信条を持っている身としては、『ハッピーニューイヤー』はとても気になる映画である。

 なにしろ、監督は「あの」クァク・ジェヨンだ。わざわざ「あの」と書いたのは、『猟奇的な彼女』での演出に感服していたからだ。

「絶対に観客を飽きさせないだろう」

 そう思っていたら、案の定だった。

■極上のエンタメ映画『ハッピーニューイヤー』で幸せな気分に浸る!

『ハッピーニューイヤー』は物語の設定がとても興味深い。

 舞台は年末で賑わう高級ホテル「エムロス」だ。

 年末のホリデームードに満ち溢れていた。その中で、ホテルにはそれぞれの事情を抱えた人たちが集まってくるが、豪華キャストが演じる登場人物たちが本当に面白い。

 たとえば……。

 男友達への告白をずっとためらっているホテルのマネージャーのソジン(ハン・ジミン)。

 優秀なイケメンだけど自分の世界に酔いしれているCEOのヨンジン(イ・ドンウク)

 就活も失敗続きで恋人にもフラれてしまった最悪展開のジェヨン(カン・ハヌル

 ミュージカル女優を夢見ながらオーディションに落ちているハウスキーパーのイヨン(ウォン・ジナ)。

 長い下積みを経てついにスターの座に上り詰めた、人気アーティストのイ・ガン(ソ・ガンジュン)。

 突然の結婚を前に浮足立つラジオプロデューサーのスンヒョ(キム・ヨングァン)とピアニストのヨンジュ(コ・ソンヒ)。

 40年ぶりに初恋の人に会って落ち着かないドアマンのサンギュ(チョン・ジニョン

 他にもワケありの登場人物が続き、ユナ(少女時代)の出番もある。そして、みんなが大みそかに向けて特別な奇跡を起こしていく。その過程を映画は夢見るように描いていく。

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