物語の中で、メインの存在感を放つハン・ジミンの役を見てみよう。
彼女が扮するホテル・マネージャーのソジンには気になる男性がいる。相手のスンヒョとは15年来の付き合いだが、いつか彼から愛の告白をされることを期待していた。しかし、人生は無情だ。彼のほうから結婚を知らされて、婚約者のヨンジュを紹介される。失望を隠せない。
そんな彼女のストーリーに参加してくるのが整形外科医のジンホ(イ・ジヌク)だ。彼は毎週土曜日にホテルでお見合いをして断られ続けていた。それでも彼はなぜホテルでのお見合いをやめないのか……。
この2人のストーリーを手始めに、合計14人の人生の「特別な1日」が高級ホテルでそれぞれに幕をあける。
映画の前半に凝りに凝った伏線が張り巡らされ、終盤に向けて見事に結実していく。まさに、極上のエンタテインメントであり、監督のセンスが光っている。
なんといっても、見終わったあとの心地よさがたまらない。
もし1人で見たら、しみじみとした幸せな気分を味わえるだろう。
もし2人で見たら、映画の中で気に入ったキャラを語り合って、「アフター」が大いに盛り上がるに違いない。
1年を幸せな気分で締めくくりたい。そんな気分にピッタリの映画だ。
●作品データ
『ハッピーニューイヤー』2022年12月9日(金)より新宿ピカデリー他全国順次公開
[韓国/2021/138分]
監督:クァク・ジェヨン(『猟奇的な彼女』) 脚本:ユ・スンヒ 出演:ハン・ジミン(『私たちのブルース』)、イ・ドンウク(『トッケビ~君がくれた愛しい日々』)、カン・ハヌル(『椿の花咲く頃』)、ユナ(少女時代/『EXIT イグジット』)、ソ・ガンジュン(『天気がよければ会いにゆきます』)、イ・ジヌク(『結婚白書』)他
配給:ギャガ
公式サイト:gaga.ne.jp/happynewyear
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