こだわりにこだわった映画のような韓国ドラマが増加する中、『エージェントなお仕事』は笑いやスピード感が適度な感じで、観ていて楽しい気分にさせられる。ドラマの舞台となるのは、芸能事務所。人気フランスドラマ『エージェント物語』のリメイク作だが、韓国の芸能界の事情にうまく寄せている。
芸能界やテレビ業界を扱ったドラマといえば、今年は『流れ星』が話題になったが、往年の韓国ドラマファンなら、故・パク・ヨンハも出演していた『オンエアー』、ヒョンビンとソン・ヘギョが主演した『彼らが生きる世界』などが思い出されるだろう。個人的には、『プロデューサー』や『アントラージュ~スターの華麗なる人生~』、『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』なども、とても好きな作品だ。
こうした作品群は業界のことが赤裸々に描かれているのが魅力で、韓ドラファンには面白く興味深い。『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』などは、韓国ドラマおなじみのPPL(間接広告のことで、劇中で俳優が小道具として商品を使用することで企業名や商品名を露出させる広告の手法)がどんなふうな過程を経て作られているのかが盛り込まれていて、思わずくぎ付けになった。
『エージェントなお仕事』も、韓国芸能界ネタがそここに散りばめられているが、個人的にそれより目を奪われたのは脇役陣の妙である。毎回さまざまな俳優が実名でカメオ出演していて、そこもみどころではあるのだが、韓ドラマニアとしては、渋く光る旬の俳優を脇役にうまく取り入れているところにグッとくるのだ。
■『エージェントなお仕事』の気になるユニークな脇役たち
一番目を引いたのは、国税庁調査局から派遣されたサンウクを演じたノ・サンヒョンだ。お初の方もいるかもしれないが、最近では『カーテンコール』にも出演している。
実は彼は今年、ドラマ『パチンコ』でヒロインの夫である牧師役を清く情熱的に演じて一躍注目を集めた逸材。『パチンコ』は厳密にはアメリカドラマで、日本統治時代の韓国や日本を舞台にしていることもあってか、イ・ミンホが出演しているにもかかわらず日本ではあまりヒットしなかったが、世界的には高評価を得た今年の隠れた名作である。『エージェントなお仕事』でセクシーなノ・サンヒョンにハマった方は、ぜひ『パチンコ』にも手を出してほしい。
画像出典:ノ・サンヒョン公式インスタグラム(@steveshnoh)