ガラスのような繊細さと吸い込まれそうな透明感。少女漫画の中から出てきたようなルックスに、最近ではグッと大人の色気を湛え、俳優としての深みを増しているイ・ジョンソク

 日本でも高い人気を誇る彼が約4年4カ月ぶりに来日、大阪・東京でファンミーティングを行う。チケットはもちろん即ソールドアウトと、変わらぬ人気を見せつけている。

 そこで、あらためてイ・ジョンソクの軌跡を追ってみよう。

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■イ・ジョンソクの軌跡、若くして演技の才能を見いだされ、トップ俳優の道へ

 2005年(日本の年齢で16歳のとき)、ソウルコレクションで最年少モデルとしてランウェイに立ったことから、イ・ジョンソクの芸能生活はスタートした。186cmのスラリとした長身、細身のようでしっかりした広い肩に、ちょんと乗った小さな顔、抜群のスタイルは、人の目を惹くのに十分すぎた。だが、彼の目標は、はじめから「俳優」だった。

 実際に俳優をめざし、芸術高校(ソウル国楽芸術高校/現・国立芸術高校)に進学するため、親元(京畿道龍仁市)を離れてソウルに上京。モデルとして活躍しながらも、演技をしたいという情熱と欲求が常に心を大きく締めていた。その念願叶って、2010年のドラマ『検事プリンセス』で初めて俳優としての扉を開く。

 このドラマでは、ヒロインの先輩検事役で実年齢よりかなり年上の設定。演技の難しさを痛感するなかで終わってしまったと語っているが、本作の演出を手掛けたチン・ヒョク監督は、彼の潜在能力を見逃さなかった。

 のちに、『ドクター異邦人』(2014年)の企画があがった際、チン監督は「イ・ジョンソクの演技力は、同世代のなかでもずば抜けている」と評価し、作品の重厚な世界観にジョンソクは若すぎるのではないかという周囲の懸念をはねのけ、主人公で北朝鮮からやってきた天才外科医フン役にジョンソクを口説いたという。