韓国の時代劇には、実在の人物を扱いながら、大胆な創造と解釈で、ドラマチックに描いたものがたくさんある。
イム・シワンが高麗と元(げん)、ふたつの王家の血を受け継いだ初めての王、高麗の第26代・忠宣王(チュンソンワン)を演じた『王は愛する』もそんな物語のひとつ。ストーリーはこうだ。
蒙古の血を引く子として父王からも蔑まれ、幼い頃から王宮の中で孤独に過ごしてきた高麗の世子ウォン(イム・シワン)。同じ王族であり、護衛のリン(ホン・ジョンヒョン)は、唯一無二の存在、生涯の友だ。
幼い頃、王宮を抜け出した2人は、大商人ウン・ヨンベクの妻の襲撃事件を目撃。そのことをきっかけにウン家の侍女と出会う。
7年後、ひょんなことから出会った美しく気高いソファ(ユナ/少女時代)が、その侍女だと気づいたウォンは、なにかと気遣ううちに恋心にを抱くように。一方、いち早くソファこそがウン・ヨンベクの娘サンと気付いたリンもまた、彼女に密かに想いを寄せる。
絶対の信頼で結ばれた友情が一つの恋によって崩れ……。
ドラマでは宮廷を舞台にした甘く切ない三角関係ロマンス以外にも、その出自のせいで父から疎まれて育った世子の葛藤と王への道、王座を狙うものたちとの戦いが描かれている。
だが、実際の忠宣王は、かなり稀有な道を選んだ人物だ。