●『黒い太陽〜コードネーム:アムネシア〜』

★ストーリー

 任務中に他国で死亡したと思われていた、国家情報院のエリート要員ジヒョク(ナムグン・ミン)。1年後、記憶を失ったまま発見されたことを知った国家情報院内部では動揺が走る。一方、ジヒョクのもとには、記憶を失くす前の自分から、「内部に裏切り者がいる」とのメッセージが。

 ジヒョク は自分を陥れた裏切り者の正体を突き止めるため、職場に復帰する。情報分析室から異動してきたユ・ジェイ(キム・ジウン)が新たなパートナーになるのだが、彼女もまた秘密があるようで……。

★見どころ

 ナムグン・ミンの圧倒的カリスマ&ストイックな魅力を堪能するアクション大作。百戦錬磨のエリート要員を演じるにあたり、8カ月におよぶ肉体改造の結果、17キロも増量したナムグン・ミン。その肉体が放つ超人的オーラに圧倒される初登場シーンは必見だ(本人もお気に入り)。

 また、アメコミヒーロー「ハルク」のような強靭な肉体から繰り出される体当たりアクションの数々も見事。格闘はもちろん、銃撃戦にカーチェイス……そのスケール、迫力、迫真の演技に何度も気圧されるだろう。

 真実を求める彼の前に立ちはだかる国家情報院内部の権力争い、テロリストの出現、自分自身をも信じることができない孤独な男の闘いは、予想もつかない結末までスリリングに展開されていく。誰がジヒョクをハメたのか。そして本当の敵とは――。

 ユ・ジェイ役キム・ジウンらの活躍はもちろん、イ・ギョンヨンチャン・ヨンナムユ・オソンらベテラン俳優たちの熱の入った演技も見逃せない。

 2021年のMBC演技大賞・大賞受賞作。ナムグン・ミンにとって、前年の『ストーブリーグ』でのSBS演技大賞に続く2年連続の快挙となった。

●『わずか1000ウォンの弁護士

★ストーリー

 わずか1000ウォン(日本円で約100円)しか報酬金を受け取らず、庶民のために法廷で戦うヘンテコ弁護士、チョン・ジフン(ナムグン・ミン)。スリの前科4犯の男から依頼された裁判を担当したジフンは、大手法律事務所代表の孫娘で、検察で研修中の司法試補(見習い)ペク・マリ(キム・ジウン)を相手にあっさり勝訴する。プライドの高いマリはショックが隠せない。

 そんななか、祖父から「チョン・ジフンの元で2カ月修行してこい!」と命じられたマリは、ジフンの事務所に入ることになり……。(2022年制作)

★見どころ

 ちょっと派手めなスーツにサングラス姿、ややオーバーリアクション。どこかうさんくささも感じさせるチョン・ジフン弁護士。くせものであることは間違いないのだが、その頭脳をフル回転させて依頼人のために戦う彼は、まさに頼もしい正義の味方。悪徳業者に権力者、弱者の敵をやりこめる姿は何度見ても胸がすく。

「キム課長」を彷彿させるナムグン・ミンのコメディ演技はもちろん、『黒い太陽』に続いての共演となった、キム・ジウン演じる新人弁護士マリ、彼を支えるサ・ムジャン事務長(パク・ジヌ)との凸凹トリオぶりが絶妙だ。

 一方で、検事時代のエピソードや、悲しき過去の事件パートになれば、その静なる演技で一気に引き込まれていく。静と動、どちらのナムグン・ミンも堪能できる。とにかくドラマの展開は早くて痛快! 一級のエンターテインメント作品だ。

 2022年SBS演技大賞にて、ナムグン・ミンはドラマPDたちが選ぶプロデューサー賞を獲得。また、『昼と夜』で共演したイ・チョンアが弁護士チョン・ジフン誕生に関わる元恋人役でゲスト出演し、見事な相性を見せたことも付け加えたい。

『わずか1000ウォンの弁護士』画像出典:SBS