ユ・テオは、映画にも数多く出演している。最近は『めまい 窓越しの想い』で青龍映画賞の新人男優賞を受賞したが、その活動は韓国映画だけに留まらない。

 なかでも個人的にユ・テオの存在が急上昇したのが、ロシア映画『LETO -レト-』だ。韓国でユ・テオが注目されるきっかけとなった作品でもある。

 ロシアなど旧ソ連地域の朝鮮半島出身の人々を“高麗人”と呼ぶが、ユ・テオはそんな高麗人の伝説的なロックミュージシャンのヴィクトル・ツォイに扮している。1980年代、ペレストロイカの中で若者の絶大な支持を得たロックバンドkinoのボーカルで、28歳の若さで亡くなった稀代のスターを、あの儚げな瞳で演じているのだ。

 こうした道を歩んできたユ・テオは、国際派俳優として羽ばたくことはあっても、韓国ドラマでは脇役止まりなんだろうなぁと思っていた。ところが、2023年、40代にして大衆的なラブコメ『その恋、断固お断りします』に主演し、それがこれほどの大ヒット!

 今後は、どんな活躍を見せてくれるのだろう。次は、ディズニープラスの韓国ドラマ『世界で最も悪い少年』で『ラケット少年団』のタン・ジュンサン君と共演するらしい。まずはそれがとっても楽しみだ。