今春も韓国ドラマが人気全盛だが、渋めの作品が好きな方はぜひ『カジノ』を楽しみたい。

 韓国映画界を代表する名優チェ・ミンシク26年ぶりにドラマ出演を果たした『カジノ』。ディズニープラス スターで独占配信中で、2月15日から配信が始まったシーズン2が3月22日に最終回を迎える。

■フィリピンのカジノを舞台にしたノワールドラマ『カジノ』、見どころは?

『カジノ』は、主にフィリピンのカジノを舞台に人間の傲慢と貪欲さを描いていくノワールドラマだ。カジノを舞台にした韓国ドラマの有名どころとしては、これまで『砂時計』や『オールイン 運命の愛』などがあったが、久々な気がする。

 演出と脚本は、『犯罪都市』の映画監督カン・ユンソン。最近、こうした映画監督が手掛ける韓国ドラマが急増したが、実際観てみると、「映画とドラマはやっぱり違うんだなぁ」と思わされる作品も多い。クオリティが高くて見応えはたっぷりなのだが、僭越ながら「ちょっと肩に力が入り過ぎている??」などと思うことも。ドラマは映画より長いので、ドラマならではの飽きさせない工夫が求められるのかもしれない。

 そういう意味では、『カジノ』は楽しませるためにあの手この手が使われている印象だ。

 本作が、ほかの作品より「ココが面白い!」と思う点はいろいろあるが、大きくは3つある。

 まずひとつ目は、映画監督の作品ながら、物語を積み重ねていく感じがドラマ的なところだ。ゴリゴリのノワールでくるのかと思いきや、軽やかな音楽を使うなどしながら、小さなエピソードを丁寧に積み重ねている。

 特にシーズン1は、韓国の激動の現代史に触れながら時代を行き来し、主人公ムシクの生い立ちや人間関係が遊び心を交えて描かれていた。映画的なクオリティの高さでドラマ的な展開が繰り広げられ、立体的なキャラクターと物語に引き込まれる。

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