――ずっと悪役を演じたかったそうですが、今回演じたジョンドゥは、第一級殺人の国際手配犯という絶対悪でした。役作りで意識したことはありますか?

「今まで見たことのないジャンルであり、見たことのないキャラクターであるところに魅力を感じたので、そこは意識しました。そもそも僕は役作りの際、既存の作品や人物を参考にしてそこからキャラクターを作り上げていくより、台本について監督ととことん話し合ってクリエイトしていくのが好きなんです。

 今回のジョンドゥに関しても、監督は最初、ジョンドゥは痩せてシャープなイメージを望んでいました。ただ僕としては、これまで痩せている悪役を散々見てきたし、観客もステレオタイプの悪役に飽きを感じるのではないかと思いました。

 それに、ジョンドゥは犯罪者たちのトップという立ち位置なので、残忍さとカリスマ性を表現するために、身体を鍛えて増量したほうがいいのではないかと提案してみたんです。監督はそれを喜んでくれて、16キロ増やしました。たくさん食べることができて楽しかったですね(笑)。

 全身のタトゥーはシールなんです。でも実は、僕テープアレルギーのようなものがあって、身体に貼ったところが蕁麻疹のように赤くなってしまって大変でした。でも不思議なことに、撮影現場では完全に役になりきっているので、アレルギーのことをすっかり忘れて、むしろ楽しく演じていましたね。そのかわり、宿に帰ってシールをはがしたあとは地獄のような苦しみに襲われました(笑)」

© LADSTUDIO KIMTAEKOO