――シンロクさんは、前作『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』でイ・ソンミンさんとは巨大財閥家の父娘役でしたが、今回は上司と部下という関係です。演じてみていかがでしたか?
キム・シンロク 実は出演を決めたのも、イ・ソンミン先輩ともう少し一緒に共演できる、というのが大きな理由のひとつでした。『財閥家~』では先輩と1対1で演じる場面が思ったよりも多くなかったんですね。ところがこの作品の台本を見たら、2人だけのシーンがかなりありました。それで、先輩と直接目を合わせて緊張を分かち合えるような場面でもう一度演技してみたい、という欲が湧き上がりました。実際に撮影してみたらとても緊張したものの、そんな瞬間さえも私にとってはとても楽しく、快感がありました。たぶんその快感には緊張が一役買ったと思いますが、先輩が一緒に演じてくださったことにとても感謝しています。
とても密度がある台本で、細かい情報があちこちに隠れていたりもするので、現場で先輩と会ったら、まず内容について軽く相談したあと撮影に入るんです。こんな風に一緒に話を交わして演技したら、監督が『カット!』してまた意見を加えてくださって……という、この過程が一糸乱れぬほどうまく行ったようです。まるでスポーツをするようにその場面に集中して、そのプロセスを経験する喜びがとても大きかったです。
『財閥家~』では私が娘役で、父の愛を渇望しつつ財産も欲しいと思っていたので、私がすごく弱者の立場でした。だけどこのシーズン2では私、ヨン・ジュヒョンは上司役じゃないですか? 立場が逆転するのですごく期待していたのですが、上司だけど歳も若いし、テクロクはベテラン刑事だから容易な関係ではなかったですね(笑)。
――実際、シーズン2の冒頭から2人はウマが合わず微妙な雰囲気を醸しだしますね(笑)。
キム・シンロク そう、まさに神経戦ですね(笑)。特に前半では、ジュヒョンが敵なのか味方なのか分からず、彼女が何を望んでいるのか分からないキャラクターなんですね。とにかくテクロクと神経戦を繰り広げることで緊張感を出す役割を担っていたので、それをやり遂げるのが私にとっての重要なミッションでした。それがまた、ジュヒョンというキャラクターの見どころでもあると思います。刑事としては、自分よりも圧倒的な経歴を持つテクロクを前にしても怯むことなく対峙できるカリスマ性を持ちながら、秘密も多い人物なので節制した表現を心がけて演じました。
――イ·ソンミンさんはいかがでしたか?
イ・ソンミン シンロクさんがシーズン2に出演してくれると知って、とても感謝しました。彼女がまた違う演技を見せてくれて、そこで一緒に呼吸を合わせながら『財閥家~』の時とはまた違う、とても洗練された演技を体感できたので、撮影中もとても楽しかったです。(キム・シンロクに向かって)ありがとう!