K-POP黎明期に、J.Y.Parkが初めてプロデュースした男性グループであり、その絶大な人気から「国民グループ」と呼ばれたレジェンドアイドルgod。そのメンバーであるユン・ゲサンは、俳優としても活躍中だ。
『最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜』(2011年)や『グッドワイフ〜彼女の決断〜』(2016年)では、ヒロインの見守る貴公子キャラで多くの女性視聴者の心をくすぐった。
近年は、映画『犯罪都市』(2017年)でのかなりクレイジーな悪役や、『スプリットウォーカー』(2021年)のキレキレのアクションなど強いキャラクターで開花。ノワール俳優としてのポジションをも確立した演技派俳優といっていいだろう。
そんな彼が、最新作『誘拐の日』では、不器用で野暮ったく、気弱な誘拐犯に大変身。超強気な天才少女との凸凹バディを結成し、さまざまな危険をくり抜けている。
■『誘拐の日』見どころ紹介、ユン・ゲサンが気弱な誘拐犯に!
●『誘拐の日』あらすじ
闘病中の娘ヒエ(チェ・ウヌ)の治療費捻出のため、元妻ヘウン(キム・シンロク)の指示で、11歳の少女ロヒ(ユナ)を誘拐することになったミョンジュン(ユン・ゲサン)。実行の夜、おじけづく彼の車の前に何者かが飛び込んできた。気を失い倒れている少女がロヒだと気づき、家に連れ帰るも、目覚めた彼女には記憶がなく、ミョンジュンはその場を取り繕うように父親になりすます。
しばらくして、身代金の要求をしようにも応答がないため様子を見に行ったミョンジュンは、ロヒの両親の死体が警察によって運び出されるところに出くわし狼狽。その頃、留守番中のロヒは何者かに襲われる。間一髪のところでミョンジュンが戻り、なんとかロヒを救出するのだが、聡明なロヒはミョンジュンの行動を怪しむようになる。
一方、殺人事件および誘拐事件を追う刑事サンユン(パク・ソンフン)は、防犯カメラの映像からミョンジュンが単純な誘拐犯に思えなくなり……。
●『誘拐の日』見どころ
近年ハードボイルドな役回りが多かったユン・ゲサンが、気弱な誘拐犯というのが新鮮だ。ぼさぼさの頭、薄汚れた衣服、冴えない父親感を存分に漂わせながら、いざというときのめっぽうの腕の強さ(元柔道選手という設定!)を発揮。
一方で切れ者少女に振り回されながらも、かいがいしく食事のお世話をするなど、元来の気の優しさを感じさせる、ちょっとまぬけだけどどこかチャーミングな主人公を見事に演じている。