2023年最高のヒット作と呼ばれている『ムービング』に続き、ディズニープラスが放つ人気ウェブトゥーン(韓国式ウェブ漫画)原作ドラマ『ヴィジランテ』が絶賛配信中だ。

 現在兵役中のナム・ジュヒョクが、高い身体能力と知性を武器に、表と裏の顔を使い分ける冷酷なダークヒーロー“ヴィジランテ”こと、キム・ジヨンに扮し、入隊前に大胆なイメージチェンジをはかった注目作。
激しいアクションにも果敢に挑んだ彼の熱演をバックアップしつつ、新境地を見せているベテラン俳優、ユ・ジテキム・ソジンイ・ジュニョクを直撃。作品の魅力や撮影秘話をたっぷり教えてくれた。(記事全2回のうち前編)

●『ヴィジランテ』ストーリー

 警察大学で常にトップの成績を誇る優等生のキム・ジヨン(ナム・ジュヒョク)は、幼いころ粗暴な見知らぬ男に母親を撲殺されたつらい過去を持つ。犯人は逮捕、起訴されたが裁判では心神耗弱を考慮され、わずか懲役3年半の判決が下る。天涯孤独の身となったジヨンは精神的苦痛と深い悲しみを抱えたまま、それから12年の時が過ぎた。

 ある日、出所後も暴行を繰り返す犯人の前に黒いフードを被った謎の男が現れる。その直後、激しい鉄拳制裁を下し犯人を殺害したその男はジヨンだった。以降もジヨンは法の力が及ばず、重罪を免れた凶悪犯の報道を見ては容赦なく私的制裁を加えていく。

 テレビ局MBSの報道記者チェ・ミリョ(キム・ソジン)は、凶悪犯が次々と惨殺された事件を調べるなかで犯人が同一人物と確信。“ヴィジランテ=自警団”と呼び名をつけ、追跡報道を開始する。一方、警察も“怪物”と呼ばれる剛腕チーム長チョ・ホン(ユ・ジテ)率いる広域捜査隊を投入。徐々にヴィジランテの人物像が浮かび上がってくるが……。

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■『ヴィジランテ』ユ・ジテ、キム・ソジン、イ・ジュニョク〈インタビュー/前編〉「出演の決め手、演じた印象は?」

――『ヴィジランテ』を通して、それぞれにこれまで見られなかった新しい姿を披露されているのが印象的でした。出演の決め手は何でしたか?

ユ・ジテ 私は『ヴィジランテ』が、ウェブトゥーンで紹介された当時から非常に興味を持っていました。見た瞬間、世界的にもヒットするだろうという確信がありましたし、私の周囲の人たちにも「面白いから一度見てみてよ」と薦めていたのを思い出します。それから数年後、チョ・ホン役のオファーが来た時は、とても嬉しかったし、これは運命だな、と思って引き受けました。

キム・ソジン 私は、これまでやったことがない新しいジャンルの作品にいつも好奇心をそそられます。『ヴィジランテ』は何か尋常ではない人物たちのエネルギーがとても強烈で力があって、それがとても魅力的でした。原作とはまた違ったチェ・ミリョの新しい魅力も探しながら、もう少し現実味のある感じに描いてみたい…という冒険心と、こんなキャラクターたちと出会うことは、なかなかないと思ったのでこのチャンスを逃すまいと出演を決めました。

イ・ジュニョク キャスティングの連絡を受けたときは、『その年、私たちは』というドラマの撮影中でした。その時演じていたのはとても真っ当な役柄だったので、ちょっと変わったキャラクターを演じたいと思っていました。ちょうどそういう作品が制作されるから、原作のウェブトゥーンを見てみてと言われたんです。それで見てみたら「本当に独特で面白いな!」と。なかでもチョ・ガンオクというキャラクターに非常に魅力を感じて、「面白そうですね」と伝えていたら、じゃあ一緒にやりませんか? となりました。今回演じることができて本当に楽しくやらせていただきました。