2003年に『冬のソナタ』がNHK BSで日本初放送されてから早20年。当時、日本中を熱狂させたこの名作が、BSテレ東で放送スタートするなど、再び注目を集めている。

 真っ白な雪景色を背景に、忘れられない“初恋”を描いた本作は、斬新で刺激的な面も多い昨今の韓国ドラマとは趣を異にし、古くさく感じるかもしれない。と思いきや! 誰もの心にある「人の愛する純粋な気持ち」を呼び起され、今見直しても胸がきゅ〜っと締め付けられてしまう。

■超名作『冬のソナタ』今見てもときめく理由とは?

『冬のソナタ』は日本の韓流ブームの火付け役としてあまりも有名な作品だ。

 切ない愛の主人公チュンサンとユジンを演じたペ・ヨンジュンチェ・ジウのこれ以上ないハマりぶり。ユン・ソクホ監督による美しい映像、とくに柔らかな冬の木漏れ日が差し込む体育館でチュンサンとユジンがピアノを弾くシーンの美しさたるや! 耳にしただけでシーンが蘇る印象的な音楽の数々と、物語の世界観に惹き込まれる要因もたっぷりだ。

 親世代の因縁や出生の秘密、交通事故に記憶喪失、すれ違いと、次々降りかかるハラハラに息をつく暇もないが、一方であらゆる胸キュン要素が詰め込まれていて、1話早々からハマらずにはいられない。

 とりわけ、主人公たちの初恋のエピソード、高校時代を描いた1&2話は秀逸だ。自転車の2人乗りや異性の手を初めて握ったことなど、“初めて”の経験のときめきが織り込まれ、キュンキュンが止まらない。

「道に迷ったら、ポラリス(北極星)を探すんだ」とチュンサンがユジンに語った言葉をはじめ、初恋の記憶が伏線となり、10年後の物語にリンクしていく展開も見事だ。

 なにより、ワケありの転校生チュンサンと建築会社代表理事ミニョンを一人二役で演じたペ・ヨンジュンが素敵すぎる。同じ顔でありながら、ミステリアスで孤独の陰が漂うチュンサンか、明るく紳士的なミニョンか、その異なる魅力に、どちらも選べない〜!ということに。

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