さらに、中盤以降、失った高校時代の記憶を取り戻したミニョンの苦悩も、観る者の心を引くポイントに。とくに、自分の正体を知ったミニョンが、チュンサンが高校時代にテープに吹き込んだユジンへのメッセージを発見し、それを聞きながら涙を流すシーンは何度観ても号泣する。

 ペ・ヨンジュンによる低音の甘い声で「ユジナぁ」と何度も繰り返す、その柔らかで想いのこもった呼び方は、『冬ソナ』最高の胸キュンポイントだ。

●『冬のソナタ』ストーリー

 母子家庭ながら明るく育ったユジン(チェ・ジウ)。彼女が通う高校に謎めいた転校生チュンサン(ペ・ヨンジュン)がやってくる。実は、実父を捜しているチュンサンは、ユジンの幼なじみのサンヒョク(パク・ヨンハ)の父親が自分の父親ではないかと疑っていた。

 そんななか、ひょんなことから互いに母子家庭で育ったことを知り、心を近づけていくユジンとチュンサン。だが、大みそかに会う約束をしていたにもかかわらず、チュンサンは交通事故で亡くなってしまう。

 それから10年後。設計事務所で働くキャリアウーマンに。サンヒョクとの結婚を控えるなか、仕事を依頼してきた会社マルシアンの若き理事ミニョン(ペ・ヨンジュン)と出会ったユジンは、激しく動揺する。ミニョンはチュンサンに瓜二つだったのだ。

 ミニョンにチュンサンの思い出を重ねてしまうユジン。一方、サンヒョクはユジンの心がミニョンに揺れていることを察し、焦りを感じ始めるのだが……。