冷徹な検事から復讐に燃える青年まで、マルチな演技力で注目を集める俳優イ・ドヒョン。
Prime Video配信中の注目作『もうすぐ死にます』では、転生を繰り返す主人公が7回目に転生したモデルのチャン・ゴヌを演じ話題となっている。
就職活動に失敗しビルの屋上から飛び降りたチェ・イジェ(ソ・イングク)。地獄に落ちる直前に「死」(パク・ソダム)が現れ、死ぬことを軽んじたイジェに罰として「いずれ死ぬ12人の身体に乗り移り残酷な死を体験する」という裁きを与える。
7回目に転生したゴヌは、イジェの恋人イ・ジス(コ・ユンジョン)と再会。ゴヌの口からジスへの反省と深い思いが語られた第4話は、涙なくしては見ることができないほど切ない。イ・ドヒョンはこの回のみの出演だが、繊細な演技によりその存在は印象深いものとなった。
ゴヌとジスが歩いた道は、全北特別自治道の全州韓屋村、慶基殿前で撮影されている。
慶基殿は、1410年に朝鮮王朝を建国した李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画を祀るために建てられた。年間観光客数が1千万人を超える全州韓屋村の中でも人気の観光スポットだ。
■若き演技派イ・ドヒョン、『ザ・グローリー』など数多くのドラマで名演技を披露
『メランコリア』(2021年)では、幼少期に数学の天才少年と言われたが、あることをきっかけに心を閉ざしたペク・スンユを演じた。
不正の温床であるアソン高校に着任した数学教師のチ・ユンス(イ・スジョン)は、スンユの数学の才能を見抜く。教務部長ノ・ジョンア(チン・ギョン)と対立しながらも自分の教育方針を貫くユンスは、スキャンダルに巻き込まれ高校を追われる。そして、4年後に数学教師となったスンユは、名門塾講師として活躍するユンスと再会。校長となったチョンアの不正を暴くべく、2人の復讐が始まる。
かつて数学教授だったユンスの父、数学が得意なスンユの教え子シアン、そしてユンスとスンユと、数学でつながる3世代の交流シーンが微笑ましく、重苦しい復讐劇のなかでイ・ドヒョンが見せる笑顔に救われた。
同作には済州島のアルテミュージアム済州が登場する。アルテミュージアムは、「時空を超越した自然」をテーマに映像と音楽で異空間を作り上げるデジタルメディアアート展示館だ。
済州島のほかに、全羅南道・麗水(ヨス)と江原特別自治道・江陵(カンヌン)にもある。本年2024年には釜山にも4館目が開館予定だ。
イ・ドヒョンが大きく注目されたのはソン・ヘギョ主演の『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』だ。高校時代に自分をいじめていた同級生たちへの復讐に燃えるムン・ドンウン(ソン・ヘギョ)に思いを寄せ、彼女の復讐に手を貸す形成外科医チュ・ヨジョンを演じた。
医師である父親を殺害され、自らも心に闇を持っているヨジョンだが、ドンウンにとって唯一心を許せる相手として、彼女を見守る姿に共感した視聴者も多かっただろう。