現在でも、大田市内には60軒あまりのカルグクスを食べさせる食堂がある。

 イリコで出汁を取ったものもあれば、牛骨スープのものもある。具材もシンプルにエゴマの粉だけをトッピングしたものや、ピリ辛スープに春菊がトッピングされたものなど、店ごとに個性がありバラエティに富んでいる。

エゴマの粉がトッピングされた「三代目伝統カルグクス」のカルグクスはスユッ(茹で豚)と一緒に食べても美味しい

 なかでも私がお気に入りなのが、中央市場のそばにある「オッシカルグクス」だ。

 この店のカルグクスには、シオフキガイと呼ばれる2枚貝がたっぷりと入っている。火の通し加減が絶妙なシオフキガイは、フレッシュかつジューシーで、この貝独特の旨味を堪能できる。

 はもちもちとした食感を楽しめる自家製麺。表面がでこぼこしているので、14種類の新鮮な海産物と韓方薬剤を使い8時間以上煮だしたというスープがたっぷりと絡み、抜群の美味しさだ。

「オッシカルグクス」のシオフキガイがトッピングされたカルグクスには海産物と韓方の出汁が使われている

●大田へのアクセス

ソウル駅から大田駅までKTX(韓国高速鉄道)で約1時間10分