Netflix最新作『涙の女王』が早くも話題となっている。主演は『サイコだけど大丈夫』『星から来たあなた』のキム・スヒョンと、『私の解放日誌』『太陽の末裔』のキム・ジウォン、さらに『愛の不時着』のパク・ジウンが脚本を手掛けていることも注目の要因だ。(以下、一部ネタバレを含む)

 物語の主人公は、韓国一の財閥、クイーンズグループの令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と地方の兼業農家の次男で新入社員のペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。身分違いの恋を成就させて結婚した2人だったが、結婚3周年を迎えた現在、互いにすっかり気持ちが冷め切っていた。

 離婚を切り出そうとするヒョヌに対し、ヘインが思いがけない告白をしたことから、2人の関係が変化していきそうだ。

■Netflix『涙の女王』ロケ地忠清南道・牙山の観光スポット

 本作の財閥令嬢ヘインの行動は、常にダイナミックだ。ヘインにプロポーズしたものの、ヘインが自分とは社会的格差のある相手だと知り身を引くヒョヌ。そんな2人が結婚を決意した重大なできごとがある。

 龍頭里(ヨンドゥリ)という地方村にある実家に身をひそめるヒョヌの目の前に、ヘインを乗せたヘリコプターが舞い降りたのだ。

 白い花が咲き乱れる広大な梨畑で作業中の村人たちの目の前に、ヘリコプターで降り立ったヘイン。結婚に尻込みするヒョヌのお尻を叩くような一言を発するヘインの姿はインパクト大だった。

 この「ヘリコプタープロポーズ」のシーンの撮影が行われたのは、韓国中西部の忠清南道(チュンチョンナムド)・牙山(アサン)市だ。

 忠清南道には三国時代に百済の都が置かれた公州(コンジュ)と扶余(プヨ)がある。ユネスコ世界文化遺産に登録された「百済歴史遺跡地区」には歴史ファンをはじめ大勢の観光客が訪れる。また、忠清南道の西海岸には遠浅の海が広がり、肥沃な平野や丘陵地帯では農業が盛んに行われている。

 牙山は、そんな忠清南道の北東部に位置する。名物クルミ饅頭(クルミが入った人形焼きのようなお菓子)で有名な天安(チョナン)に隣接し、忠清南道の中で天安に次いで2番目に人口が多い。

 牙山といえば、約1,300年もの歴史を誇る温陽(オニャン)温泉が有名だ。韓国最古の温泉という文献上の記録も残されている。朝鮮王朝第4代王の世宗をはじめ、多くの王が休養や病気の治療のために滞在したという。

温陽温泉街にある足湯は適温でとても気持ちよく利用できる