愛の不時着』の脚本家パク・ジウンの最新作にして、『星から来たあなた』のキム・スヒョン&『私の解放日誌キム・ジウォンの売れっ子美男美女カップルが主演する超期待作『涙の女王』が、Netflixで配信スタートするや、視聴ランキング1位を記録。早くも大ヒットの予感だ。

■Netflix最新作『涙の女王』見どころは?『愛の不時着』脚本家の最新作

 配信された第1&2話では、ヒロインの財閥令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、地方の名士の息子ペク・ヒョヌの出会いと、“世紀の結婚”後の現在の冷めた関係が描かれ、その設定の斬新さ、ユニークさでぐいぐい惹き込まれる。

 なにより、主演2人のキャラクターの魅力だ。キム・スヒョン演じるペク・ヒョヌは、ソウル大法学部出身のデキる男子であるにもかかわらず、強すぎる妻と妻の家族に振り回され、“かわいそ”男子に。財閥家の“マスオさん”状態だが、少しも幸せそうじゃない姿が笑いを誘う。

 かと思えば、出会いの頃は、何も知らず危なっかしいヘインを、“自分が守ってあげなければならない存在”として真っ直ぐに愛情を示すなど、もとは甘くロマンチックな男でもあり、ギャップ演技に魅せられる。

 一方、頭のてっぺんから足の爪先まで“お嬢様”なヘインは、『愛の不時着』のユン・セリソン・イェジン)に通じる“はっきりした意思の持ち主”。

 だが、セリとは違って、甘えベタ、表現ベタのツンデレで、夫への愛がありながらそれを示せず、陰で夫をこきつかう弟をこらしめたり、彼の帰りを密かに待ち続けていたりと、憎めない。

 毎話エピローグに描かれるエピソードは、彼らの「実は……」話が明かされる形になっており、『愛の不時着』や『青い海の伝説』同様、パク・ジウン作家の得意なパターン。

 登場人物たちの本心や出来事の真実をチラ見せさせる展開で、エピローグを観たあとに、もう一度はじめから観たくなる魔法のテクニックに唸らされること請け合い。

 また、夫の実家で祭祀のたびに妻たちが苦労している話は「韓国あるある」だが、本作ではこれが逆転。妻ヘインの実家の祭祀では、夫たちが準備に追われ不満を募らせているなど、男女逆転で描くことで、軽やかな社会風刺も散りばめられている。