「石炭博物館」には韓国の炭鉱の歴史に関する資料、写真、再現人形の展示などがある。また、炭鉱労働者たちが石炭を採掘していた恩城坑道を探索することができる。実際に坑道に入ってみると、狭く薄暗い環境での作業がどれほど過酷なものだったのか、容易に想像できる。

 加恩炭鉱ではのべ4,300名の炭鉱労働者たちが働いていたが、彼らの住まいや村の様子を再現した炭鉱労働者社宅村も見学できる。

「石炭博物館」の野外スペースにはかつての炭鉱労働者の住まいや村の様子を再現した炭鉱労働者社宅村がある

 聞慶エコワールドの入場ゲートのそばからモノレールや無料の電気自動車で斜面を上っていくと、高台に「加恩オープンセット場」がある。現存する高句麗城を視察し、十分な考証を重ねたうえで、精巧に再現されたという巨大な屋外撮影所だ。

 ここでは『善徳女王』『広開土太王』『根の深い木』など、数多くの歴史ドラマの撮影が行われた。

「聞慶エコワールド」での見学後、そこから徒歩10分の場所にあるカフェでの休憩をお勧めしたい。2004年に廃駅となった旧・加恩駅をリノベーションした「カフェ加恩駅」だ。

 昭和初期の日本の駅に見られた切妻屋根が採用された駅舎は、2006年に登録文化財第304号に指定された。このカフェでは、聞慶の特産品であるリンゴを使ったミルクティやコンポート、五味子エードなどを楽しめる。

登録文化財に指定された旧・加恩駅をリノベーションしたカフェでは聞慶の特産品であるリンゴや五味子のドリンクやスイーツを味わえる

●聞慶へのアクセス方法

ソウル高速バスターミナルから店村バスターミナルまで約2時間10分