Netflix最新ラブコメディ『涙の女王』が連日ランキング1位を獲得するなど、大ヒット中だ。

 本作の主人公は、韓国一の財閥令嬢でデパート経営者のホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、地方の兼業農家の息子ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。格差婚の2人が繰り広げる物語に、回を重ねるごとにぐいぐいと引き込まれていく。

 第3話の冒頭で、ヘインのことを貧乏だと誤解したヒョヌが、広大な果樹園を所有しスーパーを営んでいる実家のことを自慢げに話す。

「これからはお金の心配はいらない」とヘインに語るヒョヌの姿は、滑稽ではあるが、彼のやさしさがにじみ出ていてなんともほほえましい。

■Netflix『涙の女王』主人公ヒョヌの実家ロケ地慶尚北道聞慶はどんなところ?

『涙の女王』主人公ヒョヌは、劇中では広大な梨畑が広がる龍頭里(ヨンドゥリ)村出身という設定だが、実際にヒョヌの実家と母親が営む「龍頭里スーパー」の撮影が行われたのは、韓国中東部にある慶尚北道・聞慶(ムンギョン)だ。

 聞慶と言えば、朝鮮王朝時代に嶺南地方(現在の慶尚道)と漢陽(現在のソウル)を結ぶ嶺南大路(ヨンナムデロ)の最も険しい峠・聞慶セジェがあることで有名だ。

 また、韓方薬剤として利用される五味子(オミジャ)の一大栽培地でもあり、五味子が赤色の実をつける9月には聞慶五味子祭りが開催される。

 そんな聞慶の中西部に、日本統治時代に炭鉱として開発された加恩(カウン)という村がある。韓国の炭鉱村というと、江原特別自治道の寧越(ヨンウォル)、三陟(サムチョク)、太白(テベク)が有名だ。

 一方、聞慶にも30以上の炭鉱があり、韓国で第2の石炭生産地だったという歴史がある。かつて恩城(ウンソン)炭鉱があった場所が、「聞慶エコワールド」という複合施設にリノベーションされ、聞慶の観光スポットとなっている。

「聞慶エコワールド」は、屋外遊戯施設の「ジャイアントフォレスト」、環境保護をテーマにした「エコタウン」のほか、「石炭博物館」と「加恩オープンセット場」の4施設から構成されている。

「聞慶エコワールド」にある「石炭博物館」では資料、写真、再現人形などを通じ韓国の炭鉱の歴史を勉強できる