このドラマはそれまで創業家の豪華な生活を繰り返し描いていた。その一方でヒョヌの実家の「あまりに田舎な暮らしぶり」を随時はさみこんで、「対比の妙」を強調していた。特に、ヘインの母親はヒョヌの母親を極端に卑下し、目も当てられない対応をしていた。そこまで尊大にふるまっていた創業家が、結局はどうなったのか。
それが一目でわかったのが、第8話の最終場面であった。豪邸から放り出された尊大な家族たちは、行く当てもなく落ちぶれてヒョヌの実家に転がりこむことになった。
たとえていえば、朝鮮王朝の王家がクーデターによって王宮を追われて、名もない僻地にひっそりと身を寄せるというイメージを彷彿させていた。まさに「手の平返し」の展開が予想されたのが、第8話の締めであった。
全16話のちょうど半分。ドラマの後半はヒョヌが奪われた経営権を取り戻すために奮闘していく物語になるに違いない。同時に、没落した財閥家が卑下していた人たちに救われていく展開になるのだろうか。Netflixで配信される週末が待ち遠しくてたまらない。
●配信情報
Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中
[2024/全16話]演出:チャン・ヨンウ『不可殺』『抱きしめたい~ロマンスが必要3』、キム・ヒウォン『ヴィンチェンツォ』『シスターズ』 脚本:パク・ジウン『愛の不時着』『星から来たあなた』
出演: キム・スヒョン『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』、キム・ジウォン『私の解放日誌』『太陽の末裔 Love Under The Sun』、パク・ソンフン『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』『サイコパスダイアリー』、クァク・ドンヨン『雲が描いた月明り』『ヴィンチェンツォ』