「どこかで見た顔だなあ」
ドラマや映画を観ていると、顔つきや佇まいがなぜか気になる俳優がいる。
最近の例だと、Netflix『タッカンジョン』で、タッカンジョン(フライドチキンの一種)に変身してしまった娘に扮したキム・ユジョンがそうだ。
1999年生まれの彼女は、パク・ボゴム主演の大ヒット時代劇『雲が描いた月明り』の男装ヒロイン、アン・ヒョソプ主演『ホン・チョンギ』のヒロイン絵師、チ・チャンウク主演『コンビニのセッピョル』の喧嘩の強いアルバイト店員、ソン・ガン主演のNetflix話題作『マイ・デーモン』の財閥令嬢役など、次世代ラブコメクイーンとして人気の若手トップ女優だ。
■子役出身の若手女優キム・ユジョン、クライムサスペンス映画『チェイサー』の重要な子役
キム・ユジョンの芸歴は長く、5歳で子役デビューしているのだが、プロフィールを改めて見てびっくり。2008年に500万人以上を動員した映画『チェイサー』で、風俗嬢(ソ・ヨンヒ)の幼い娘を演じた子役(当時9歳)だったのだ。
本作はキム・ユンソクとハ・ジョンウの出世作で、ソン・ガンホ、チョン・ウソン、イ・ビョンホン主演『グッド・バッド・ウィアード』に次いで同年2位の興行成績を残している。
キム・ユジョンの役どころは、連続殺人犯(ハ・ジョンウ)に監禁された母の帰りを自宅で一人待つ健気な少女。元刑事で母の雇い主(キム・ユンソク)がやむなく彼女の子守りをすることになる。
子供ながら、元刑事が母親に好ましくない仕事をさせていることをなんとなく察し、悪態をついたり、心細いのに気丈に振る舞ったりするのだが、母親が危機的状況にあることを知ると、大泣きするなど、なかなか難しい演技をこなしていた。
元刑事で風俗店経営者のキム・ユンソクと殺人鬼のハ・ジョンウの「濁」の演技によって、いっそう光るキム・ユジョンの「清」の演技。このコントラストが本作の見どころである。