■悲しきヒール役で観る者を魅了した『力の強い女 カン・ナムスン』

『力の強い女 カン・ナムスン』の主人公は、先祖代々、女性にだけ受け継がれる怪力を持つカン・ナムスン。大ヒットした『力の強い女 ト・ボンスン』の脚本家が贈る“強い女”シリーズ第2弾で、ナムスンは前作ボンスンの遠い親戚に当たるという設定だ。

 母系遺伝により生まれつき超人的な怪力を持つカン・ナムスンは、幼い頃に父とモンゴルに旅行中はぐれ、1人残されるはめに。現地人に拾われ、彼らの娘としてすくすく育ったナムスンは、20年後、一人前になったことを機に本当の両親を探すため韓国へ戻ることに。だが、ソウルに着いて早々に麻薬事件に巻き込まれたうえ、詐欺に遭う。ひょんなことから出会った刑事カン・ヒシクに助けられるが……。

 ユニークな怪力ヒロイン、ナムスンを演じるのは、『イカゲーム』のイ・ユミ。たくましく暮らす“野生児”をのびのびと演じている。イケメン好きというキャラ設定も面白い。

 ナムスンと捜査バディを組むことになる麻薬特殊捜査チームの刑事カン・ヒシクに扮するのは、Wanna One出身で『十八の瞬間』など俳優としても繊細な表現力を見せているオン・ソンウ。ナムスンのほっこり微笑ましいやり取り、恋の行方も楽しめる。

 本作でピョン・ウソクが演じるのは、ナムスンを利用しようと接近するも、そのペースに巻き込まれ惹かれていく、謎多き事業家リュ・シオ。初の悪役挑戦となるが、陰影ある演技で物語に緊張感を与える。悲しきヒールの行方に、徐々に肩入れしてしまうこと必至だ。

 ナムスンの母で、善行を積めば生き別れた娘が見つかるはずだと密かに麻薬撲滅活動を行う江南のマダム、グムジュを『パリの恋人』のキム・ジョンウン。ナムスンの祖母で精肉業界の大物キル・ジュンガンには大ベテラン女優キム・ヘスクが扮し、怪力母娘3代の活躍も見どころだ。

●配信情報

Netflixシリーズ『力の強い女 カン・ナムスン』独占配信中

[2023年/全16話]演出:キム・ジョンシク『酒飲みな都会の女たち』、イ・ギョンシク 脚本:ペク・ミギョン『力の強い女 ト・ボンスン』『Mine』 

出演:イ・ユミ、オン・ソンウ、ピョン・ウソク、キム・ジョンウン、キム・ヘスク