大ブレイクしたのは、もちろん『愛の不時着』の “耳野郎” 役。盗聴する後ろめたさに苦悩する演技は見応えあった。ちなみに、『涙の女王』のロマンスの相手役キム・ジョンナンは『愛の不時着』では北朝鮮の村の主婦を演じていた。

 そして、『愛の不時着』の翌年には主人公(『ミセン -未生-』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のパク・へジュン)の友人を演じた『夫婦の世界』も大ヒット。主人公の妻(キム・ヒエ)に密かに恋心を抱く難しい役をこなしていた。

 それ以前は、ハ・ジョンウチョン・ドヨン主演『素晴らしい一日』では、嫉妬深くて粘着質の夫役。『受取人不明』では、いじめられる田舎の青年役。『春夏秋冬そして春』では、自分を裏切った妻に殺意を抱く青年役など、屈折したキャラを演じることが多かった。

 脱・屈折青年を果たしたのは、『離婚弁護士シン・ソンハン』のチョ・スンウと『ムービング』のヤン・ドングン主演映画『パーフェクト・ゲーム』の新聞記者役だろう。

 今のキム・ヨンミンとのギャップを楽しむ意味でも、上記の屈折青年三部作はぜひ観てもらいたい。のちに、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で主人公(イ・ソンギュン)の妻(イ・ジア)と不倫する役は、屈折青年役の集大成と言えるだろう。