■3位『パラサイト 半地下の家族』(2019年)/イ・ジョンウンとチャン・ヘジンの最強アジュマ決定戦も見どころ
いま観直してみると、『私たちのブルース』のイ・ジョンウンが地下室から上がってくるところを、『ドクター・スランプ』のチャン・ヘジンが蹴り落とすシーンがあるすごい映画だ。役柄的には同年代に見えるが、じつはチャン・ヘジンが5歳も若いのは意外である。
地下室に隠れ住んでいた男に扮したパク・ミョンフンはこれ以降、映画出演が急増。ファン・ジョンミン主演『ただ悪より救いたまえ』、リュ・ジュンヨル主演『梟─フクロウ─』、シン・ミナとキム・ヘスク主演『母とわたしの3日間』などに出ている。
イ・ソンギュンの息子役のチョン・ヒョンジュンは、この3年後、『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』に出演し、パク・ソダムと再び共演している。
■4位『誤発弾』(1961年)/韓国映画の一大ジャンルで、今も作られ続ける南北分断映画の古典的名作
朝鮮戦争が休戦になってから数年後のソウルの街並みやタルトンネ、今では見ることのできない立ち飲み酒場の風景が観られる貴重な作品だ。主人公は1位の『下女』のキム・ジンギュ。戦禍で心を病み、寝たきりの母親がガバッと起き上がり、「行こう!」と叫ぶシーンは、戦争の悲惨さを生々しく伝える名場面だ。チョン・ウソン主演『鋼鉄の雨』、ファン・ジョンミン主演の『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』など、現代まで続く南北分断映画に興味のある人なら観ておきたい作品である。
■5位『オールド・ボーイ』(2003年)/ユン・ジンソの不機嫌演技の原点
キム・ミニとキム・テリ主演の『お嬢さん』に至るパク・チャヌク監督独特の世界観が確立された作品。
のちにチョンウ主演の『模範家族』や『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』で不機嫌な女性を演じるユン・ジンソの原点とでもいうべき演技が見られる作品でもある。
これらの作品は、韓国映像資料院のYouTubeで公開年順に順次アップロードされる予定だ。