『奈落のマイホーム』の主人公はその夢をソウルの東のはずれで実現したという設定に大変リアリティがある。ちなみに、江東区は1963年に京畿道広州郡からソウル市(当時は江南区)に編入されたので、ソウルとは言っても新参者である。

 韓国では新居に友人知人、職場の仲間などを招いて「チプトゥリ」(引っ越し祝いのホームパーティー)をする習慣がある。主人公の鼻息が荒かったことからもわかるように、チプトゥリで新居を披露(自慢)するのはとても達成感のあることだ。

 日本のみなさんも、もし韓国の友人知人が新居を構えたら、チプトゥリを積極的に持ちかけてみよう。その際は、慣例となっている洗剤やトイレットペーパーなどの贈答品を忘れずに。

チプトゥリには洗剤やトイレットペーパーを持って行く

●作品情報

『奈落のマイホーム』

[2021年/韓国/115分]監督:キム・ジフン 脚本:キム・ジョンハン

出演:チャ・スンウォン、キム・ソンギュン、イ・グァンス、キム・ヘジュン、ナム・ダルム