ジュンウォンの恋人役には、のちに『ペーパー・ハウス・コリア 統一通貨を奪え』や『国際市場で逢いましょう』に出演するキム・ユンジン。
そして、当時、20代後半で映画出演は2本目のファン・ジョンミンは終盤、主人公を尋問する調査員役で登場。アップが1秒、横顔が2~3秒の出番だが、セリフもある。物腰はやわらかいが、被疑者を厳しく追求しようとする目の演技に才能の萌芽を感じさせる。
北側を一方的に敵視するのではなく、同じ人間だという目線が貫かれている映画としては『JSA』が有名だが、『シュリ』は初めてそれを表現したメジャー作品といえる。
また、最近の南北分断映画ではあまり聞かれなくなった、北側(共産主義)が南側(資本主義)の飽食文化をストレートに非難するセリフがたびたび出てくるので新鮮な衝撃がある。
今回、映画公開から25周年のアニバーサリーイヤーに、『シュリ デジタルリマスター』として4Kデジタルで公開される。迫力のアクション、凄絶なストーリー、大物俳優たちの演技を堪能するためにも、ぜひ劇場で観てもらいたい作品だ。
●公開情報
『シュリ デジタルリマスター』 2024年9月13日(金)シネマート新宿ほか、全国ロードショー
[1999年/韓国/カラー/125分]監督・脚本:カン・ジェギュ
出演:ハン・ソッキュ『八月のクリスマス』、キム・ユンジン『告白、あるいは完璧な弁護』、チェ・ミンシク『オールド・ボーイ』、ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』
配給:ギャガ
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