ナムグン・ミンとアン・ウンジンが主役カップルを演じた『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』は、17世紀前半の朝鮮王朝を震撼させた清国との戦乱を描いている。
その中で、ナムグン・ミンが演じるイ・ジャンヒョンとアン・ウンジンが扮するユ・ギルチェの運命的な愛がメインテーマになっていた。(以下、一部ネタバレを含みます)
■韓国時代劇の新たな名作『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』見どころは?
ジャンヒョンは女好きで非婚主義者なのだが、自分の素顔を見せずに商業や通訳官として抜群の能力を発揮していた。そんな男をナムグン・ミンが涼風を送る扇子のように優雅に演じていた。
しかし、「ここぞ」というときの緊迫した場面では、ナムグン・ミンが信念の塊となって力強い表情を見せていた。
劇中のジャンヒョンは、本来なら物事に固執しない男なのだが、瞬間的に運命的なものを感じて、世間知らずのお嬢様だったギルチェに惹かれていく。
ところが、1636年の冬に清国の大軍が朝鮮王朝の都だった漢陽(ハニャン)を襲ってくる。そんな緊急事態の中で、ジャンヒョンとギルチェの「愛の行方」が揺れていくのだが、その中で驚くほどにギルチェが骨太に自立する。そのあたりの変貌は見応えがあった。
結局、清国の軍勢があまりに強く、朝鮮王朝は屈服する。昭顕(ソヒョン)世子が清国の瀋陽(しんよう)に連行されてしまうが、ギルチェも混乱する世相につれて間違って人質にされてしまい、瀋陽で軟禁される。
その際のジャンヒョンの奮闘ぶりが秀逸だった。彼は持てる才能をすべて出し尽くして、絶体絶命の大ピンチだったギルチェの命を何度も救った。
こうしたメインの話と並行して、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』には珠玉のサイド・ストーリーもあった。それが、ギルチェが恋慕していたヨンジュン(イ・ハクジュ)と婚約者のウネ(イ・ダイン)の愛情物語だ。