こうなると、ユシンとの盟友関係も崩れてしまう。さらに、トンマンに対しては「結婚して自分が次の国王になる」という意欲も見せていた。やはり彼は、国王をめざしたミシルの子供なのだ。究極的に、ピダムは新羅の頂点しか見ていなかった。
こうした野心的なピダムに扮したキム・ナムギルの「魅せる演技」は本当に奥が深かった。
彼は感情の変化を多彩に見せながら、ピダムの野心と意気込みを微妙に交差させて、視線と口元を象徴的に変化させていた。
そこに、キム・ナムギルが培った表現力が生きていた。
『善徳女王』を通して感じたのは、ピダムというのが「とらえどころのないキャラクター」だったということだ。こういう役を演じるときは、俳優キム・ナムギルの持っているスケールの大きさが十分に発揮されていた。
●作品情報
『善徳女王』
[2009年/全62話]演出:キム・グンホン、パク・ホンギュン 脚本:キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン
出演 : イ・ヨウォン、コ・ヒョンジョン、オム・テウン、パク・イェジン、キム・ナムギル
(C)2009 MBC ALL RIGHTS RESERVED.
DVD販売元:ポニーキャニオン