■2024年にデジタルリマスター版も上映された元祖韓流アクション『シュリ』(1999年)
ハン・ソッキュは北朝鮮からの工作員を迎撃する韓国側の工作員を演じた。拳銃を両手で持つなどのリアルな演技は説得力抜群。
同世代の俳優チェ・ミンシク扮する北側工作員や同僚役のソン・ガンホ、当時は無名だったファン・ジョンミンとのからみもある豪華な作品だ。
■北朝鮮から韓国に偽装亡命したスパイに扮した『二重スパイ』(2003年)
1990年代半ばから韓国映画の顔だったハン・ソッキュ人気に陰りが見えた作品。そんな印象が強いが、今観ると南北二重スパイという複雑な役柄をよく演じていて、さすがはハン・ソッキュと言うほかはない。
なかでも、南側の取調官の前で冗談を言うシーンや韓国への忠誠心を示すパフォーマンスのシーン、そして、逃亡先のポルトガルで静かに暮らすシーンは今も鮮明に記憶に残っている。
■冷血な中央情報部員の恐怖演技が光る!『その時の人達~有故、大統領~』(2005年)
朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されるまでの一日を描いた作品。ハン・ソッキュは大統領を殺害する中央情報部長の部下役。
それまでの純情青年や人間味のある情報部員とは正反対の冷酷非常な役柄はインパクト絶大だった。ユン・ヨジョン扮するプライドの高い婦人を人とも思わない扱いをするシーンはハラハラさせられた。