『イカゲーム』シーズン1は、コロナ禍のなかでNetflixで配信されて国際的に大ヒットしたこともあり、今や世界の『イカゲーム』なのかもしれないが、いかにも韓国らしい演出に出合うと、韓国人としてはうれしくなる。
今回は『イカゲーム』シーズン2のそんな場面にフォーカスしてみよう。
■Netflix『イカゲーム』シーズン2の親子、困った息子役は『ムービング』のヤン・ドングン
借金返済のためのゲームでターゲットに命中させようと必死な息子に母親が言う。
「あの的をギャンブル場でおまえをだました奴だと思いなさい!」
そして、今どきは石の代わりに赤・黄・青・緑・紫の5つのカラフルなプラスチックストーンで行う、石拾いゲームの「コンギ」(韓国の伝統的な遊戯)に挑む母の横で息子が言う。
「母さんは朝鮮戦争のとき、拾った銃弾で石拾いゲームをやったんだよね」
こんなふうに励まし合いながら、ゲームを勝ち進んでいく母と息子。息子の借金返済のために母親がゲームに参加すること自体、じつに韓国的だと多くの韓国人が思っただろう。
嫁をもらわない限りはいくつになっても息子を子ども扱いする母と、それに甘える息子。深刻な就職難で40代になっても親に依存する息子が珍しくない韓国社会の深刻な幸福を象徴する場面だ。
そんな困った息子に、長らく俳優として活躍しているが、実年齢は40代半ばのヤン・ドングンが扮している。最近では、大ヒットドラマ『ムービング』で空を飛ぶ超能力者を演じた人だ。
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