Netflixシリーズ『トラウマコード』が世界的な大ヒットを記録している。人気俳優チュ・ジフンが演じる主人公ペク・ガンヒョクが、型破りな天才外科医という強烈なキャラクターになっていて、ドラマを想定外の世界に引き込んでいく。(以下、一部ネタバレを含みます)

■世界的大ヒット中!Netflix『トラウマコード』チュ・ジフン演じる天才外科医が痛快で魅力的!

 子供の頃に見ていた漫画の主人公たちは、みんな典型的な勧善懲悪にこだわったヒーローだった。悪を懲らしめることだけに特化したわかりやすいキャラクターだったのだ。

 しかし、現代ドラマのヒーローに求められるのは、単純な勧善懲悪だけではない。何よりも社会性を身につけていなければならないのである。

 そういう意味で、『トラウマコード』の主人公ペク・ガンヒョクは、古今東西のドラマで描かれたヒーローより能力がケタ違いだ。

 まずは、外科医として抜群の腕を持っている。本来なら助からない人を救命する、という特殊能力を備えていて、『トラウマコード』で随所にその天才性が発揮される。

 しかも、性格が型破りだ。ハングク大学病院に乗り込んでいって重症外傷チームのリーダーとなり、初対面から関係者を言葉で屈服させる。そして、自分の思う通りに行動して難局を乗り越えていく。ただし、言動が破天荒なあまり、多くの敵を作ってしまう。

 一番の対抗勢力がハングク大学病院の上層部だ。院長は、患者の治療を最優先するという大前提を忘れて、赤字を出さないという経営面ばかりを強調する。そして、彼の取り巻きも経費節減のお題目ばかり唱えている。とうてい大学病院の幹部とは思えないのだが、ペク・ガンヒョクはそういう「医は算術」という連中に対抗しなければならない。

 実際、彼はどんなに経費がかかっても患者の命を救うために全力を尽くしていく。特に、ドクターヘリの重要性を一番熟知していた人物であり、ヘリの出動をけちっている連中に露骨に歯向かう。

 今の救急医療に何が必要なのか。そのことを一番知っているペク・ガンヒョクは「社会性の申し子」だ。

 さらに、彼には命知らずの勇敢さがある。紛争地域で必要な医薬品を届けるために、バイクで爆撃の下を疾走していく。そのアクションシーンは本当に見応えがあった。

 このように天才性、破天荒、行動力、社会性のすべて兼ね備えているのがペク・ガンヒョクである。今までのドラマで、これほどの能力を背負ったヒーローが果たしていただろうか。

Netflixシリーズ『トラウマコード』独占配信中 
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