『ニュートピア』(Prime Video独占配信中)というタイトルに惹かれ、事前の知識ゼロで最新韓国ドラマの1話と2話を観た。1話が終わるころ、これはとんでもないドラマだと気付く。サンドイッチの具材が2種類だと思って食べ始めたら、じつは3種類で、しかも激辛だった。そんな感じである。(以下、一部ネタバレを含みます)
■韓国ドラマ最新作『ニュートピア』、兵役中の彼氏と就職した彼女のラブストーリーかと思いきや…ブラックコメディ!?
1つ目の具材は兵役の物語だ。軍隊が舞台だが、チョン・ヘイン主演『D.P. -脱走兵追跡官-』のような陰鬱なものではない。人より何年か遅く入隊した男のドタバタ劇がリズミカルに展開される。
2つ目の具材はラブストーリー。兵役中の男の彼女は就職したばかり。軍人と社会人。その立場の違いから誤解が生じ、彼氏から心が離れつつある。
兵役とラブストーリーは韓国ではありふれたモチーフなので、のんびり楽しめるドラマかと思っていたら、1話の終わりで3つ目の具材が明らかになる。「ディザスター(惨禍)」である。
同種のディザスターはここ数年、韓国ドラマや映画で何度も描かれてきたが、『二ュートピア』は既存の作品よりも描写がえげつない。ここで観るのをやめようと思う人は少なくないだろう。筆者はこのジャンルは大好きなのだが、本作に限っては去っていく者を無理に引き止められない。観る者を選ぶドラマなのである。
