●『二十五、二十一』(2022年)

 キム・テリの天才的な演技、ナム・ジュヒョクの愁いを含んだ存在感、主要キャラ5人が演じた「青春のかけがえのない群像劇」……このドラマの良さを語ったらキリがないが、一番好きなのはラストの描き方。

 なんでもハッピーエンドにもっていく風潮の中で、余韻の残る最高のエンディングを作ってくれた。最終話が本当に大好きで、何度でも見てしまう。

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●『涙の女王』(2024年)

 わがままな財閥令嬢のホン・ヘイン(キム・ジウォン)と頭脳明晰なペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。この夫婦の離婚危機と再生を描いたドラマであり、序盤からスリリングな展開が続いた。しかし、途中から「中だるみ」を感じ始めていたら、第8話で劇的な変化があった。

 財閥家が企業乗っ取りで没落し、傲慢な一家がヒョヌの実家に居候することになり、蔑んでいた田舎の生活の世話にならざるをえない。この「大逆転」に思わず喝采した。「中だるみ」が一気に消えて、最後までワクワクするような物語が続いた。

●『オク氏夫人伝』(2024~2025年)

 第1話の興味深い展開が抜きんでていた。「序盤が最高の韓国時代劇ランキング」があれば、問答無用で『オク氏夫人伝』が1位になるだろう。イム・ジヨンが演じる奴婢のクドクが良家の令嬢オク・テヨンに変身していく過程は、ゾクゾクするほど面白かった。

 やがてオク・テヨンは法律家として村の人々を救っていくが、物語のエピソードと登場人物のキャラが研ぎ澄まされていて、完成度の高さが際立っていた。ラストシーンも文句なしだった。

●『おつかれさま』(2025年)

 IUとパク・ボゴムの主演コンビに尽きる。IUは主人公のオ・エスンと娘のクムミョンの2役を演じたが、彼女の存在感がドラマの雌雄を決したと断言できる。

 また、パク・ボゴムが扮する純情なヤン・グァンシクほど一途な男を他で見たことがなかった。彼が、乗っていた船から海に飛び降りてエスンを取り戻しに行く場面は、「これこそドラマの真髄」と言えるほど痛快だった。

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