2025年も素晴らしい韓国ドラマがどんどん制作されているが、ここで過去の名作を振り返ってみよう。あまりに数が多いので、過去10年間に限定して、個人的に大好きなドラマを8本選んでみた。どれも「まさに究極!」と呼べるほどの傑作揃いだ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■過去10年の韓国ドラマ、究極の「最高傑作」ベスト8作!

●『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015~2016年)

「応答せよ」3部作はどれも傑作だが、最終作となった『恋のスケッチ~応答せよ1988~』は、ソウルの下町を舞台にして仲がいい「ご近所さん」たちが愉快に描かれていた。

 中心になるのは、ヘリが演じるソン・ドクソンの一家。5人家族の赤裸々な生活がペーソスたっぷりに描写されていて、珠玉の人間ドラマになっていた。天才的な囲碁名人テクを演じたパク・ボゴムの純朴さがとても良かった。

●『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』(2018年)

 序盤でイ・ジアン(IU)の悲しい境遇が強調されすぎていて、見るのが辛くて視聴を中断してしまったが、再開してから第4話以降で完全に没入した。イ・ソンギュンが扮したドンフンの人間性に感動したし、彼を含めた3兄弟の地元愛や家族愛が最高級のエピソードで描かれていた。

 ここまで傑作になったのは、パク・ヘヨンが書いた脚本が卓越していたから。まさに、「脚本の完成度の最高峰」と呼べる作品だった。

●『梨泰院クラス』(2020年)

 コロナ禍で鬱屈した日々を送っていたとき、とてつもない光明をもたらしてくれたドラマとなっていた。

 悲劇、復讐、野望、大成……韓国ドラマが持っているスケールの大きさを存分に発揮した傑作であり、パク・ソジュンが扮したパク・セロイの「前に突き進む人生観」に本気で影響を受けた。閉塞した時期に「本当にめぐりあえて良かった傑作」として、絶対に忘れられない作品だ。

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●『赤い袖先』(2021~2022年)

 たくさんの韓国時代劇を見てきたが、明らかに次元が違うと思わせてくれた革新的なドラマだ。イ・セヨンが演じたソン・ドギムは、宮女でありながら時代を動かしていける自立性を持っていた。彼女を中心にして宮女の世界を生々しく描く手法がとても斬新だった。

 ドギムを失った後のイ・サンジュノ2PM)の寂寥を抒情的に描いた終盤は、他に例えられないほど秀逸だった。